少年亜武(あぶ)

少年亜武(あぶ)6

特急しおさいから下車すると
父・輝(てる)が待っていた。
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「亜武、一人で行けたな。
偉いな。」
と声をかけてくれた。
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亜武は特段、返事もせず
父・輝に寄り添って歩いた。
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ここは地下2番ホームらしい。
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東京駅は広いので
どこをどう歩いたのか
わからないまま
気が付いたら
北陸新幹線のホームにいた。
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いつものように
携帯の時刻を見ると
午後3時20分だった。
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午後3時24分発の
新幹線「かがやき」は
すでに停車していた。
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亜武は小さい時に
東京駅に来ただけなので
普段の混雑ぶりは知らないが、
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人があまりおらず
閑散としている。
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亜武の最寄り駅の上田駅と
あまり変わらない。
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よくよく見ると
見る人見る人
マスクをしている。
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亜武と父・輝は
マスクをしていない。
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父・輝がボソッと
亜武に言った。
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「みんなコロナを
信じているからなぁ」
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「コロナは
ただの風邪なんやけど」
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最寄り駅は上田駅だけど
新幹線に乗るのは
2度目なので
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父・輝にお願いして
一番速い「かがやき」に
乗せてもらった。
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「かがやき」は
指定席、グリーン席以外に
もっと高いグランクラスが
あるそうだが、
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父・輝は
上田駅のみどりの券売機で
購入した自由席に
亜武と座った。
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父・輝は
上田駅から東京駅まで
亜武と来たが、
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乗車券代を節約するため
亜武一人だけ
特急しおさいと
銚子電鉄に乗せた。
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亜武は父・輝に尋ねた。
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「パパは何してたん?」
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父・輝は応えた。
「『RAPT先生』が住んでいた
新宿と祈りと賛美を捧げていた
東京都庁に行っていた。
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新宿はよくわからないので
JR新宿駅と駅前を見て来た。
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それにしても人が
あまり歩いていなかったし
みんなマスクをしていた。」
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父・輝はそう言って
Twitterをし始めた。
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父・輝が言うには
Twitterで真実を発信し
情報拡散をしているそうだ。
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神様がしなさいと
「RAPT」先生を通じて
指示されたそうだ。
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亜武は
滅多に乗れない新幹線だから
景色をいっぱい見ておこうと
窓の外側に広がる景色を
眺めていた。