少年亜武(あぶ)

少年亜武(あぶ)4

駅舎は新しかった。
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持っているタブレットで検索すると
2018年に完成したと書いている。
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旧駅舎の画像を見るとレトロで
亜武は旧駅舎の方が好きだった。
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天井が高かった旧駅舎は
旧海軍・香取航空基地の
飛行機格納庫を転用したもので
1948年から使っていたそうだ。
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新駅舎は外観を
犬吠埼灯台をイメージした白色にし
内装を醤油蔵のイメージで
デザインしたそうです。
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田舎によくあるように
駅前から見る風景には
歩いている人は
あまりいなかった。
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車の通りも少なかった。
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だいぶん時間が経ったと
思ったので、
携帯の時計を見ると
午後0時15分だった。
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21-15=6
1-0=1
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「あ―、まだ1時間6分もある」
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「お腹も空いたなぁ」
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亜武は駅前のロータリーにある
椅子に座った。
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持っているリュックサックの
ファスナーを開け
今朝、父・輝(てる)が
東京駅近くの
セブンイレブンで買ってくれた
鮭おにぎりを食べた。
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まだ小さかった頃は
おにぎりのビニールを
上手く外せなかったけど
いまは順番に外し
簡単に食べれるようになった。
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セブンイレブンの7+11は
18になり666に変化する
悪魔の数字で
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添加物まみれの毒を売っていると
父・輝から聞いているけど
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外出時に何も食べる物がないときは
仕方なく「必要悪」で食べてもいいと言われている。
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飲み物はリンゴジュース。
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デザートにじゃがりこを食べ
お腹、一杯になった。
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携帯の時計を見ると
午後0時31分。
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「まだまだ時間がある」
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「どうしよ」
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亜武はタブレットに
ダウンロードされている
聖書を読むことにした。
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新共同訳とリビングバイブルが
あるのだが、
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漢字もわからないし
読める平仮名もあるけど
意味はわからない。
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でも父・輝が話していたことは
思い出すことができる。
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「初めに、神は天地を創造された。
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地は混沌であって、
闇が深淵の面にあり、
神の霊が水の面を動いていた。
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神は言われた。
『光あれ。』
こうして、光があった。
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(創世記、1章 1―3)
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読むというより
字を眺めながら
父・輝が話していたことを
思い出していた。
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ふと、携帯の時間を見ると
午後1時5分だった。
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21-5=16
1-1=0
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「あと16分だ」
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亜武はリュックサックの
ファスナーを締め
肩に背負って
改札口へ向かった。
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リュックサックのポケットから
Suicaを取り出し
改札でピーとし
目の前の1番ホームで待った。
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ぼんやり辺りを見たり
デジカメで
写真を撮ったりしていると
1番ホームに特急しおさいが
到着した。